太鼓は奈良時代(8世紀)に雅楽とともに中国から伝わったと云われ、江戸時代には、庶民の楽しみである「祭り」の広がりとともに、祭り囃子の必需品として全国各地で作られるようになりました。
製造工程は、原木(ケヤキ、トチ、セン、タモなど)の切断から「くり抜き」「乾燥」「削り」「塗装」「皮作り(和牛)」「鋲打ち」まで、ほとんどの工程が手作業で行われ、原木切断から完成まで数年を要します。
岡崎を中心とした三河地方では、「ちゃらぼこ太鼓」と呼ばれる地域特有の太鼓(屋台車と共に練り歩く囃子太鼓の呼称)が江戸期から戦前まで盛んに行われていました。しかし、戦争を機に途絶えた町内も多く、岡崎では現在、僅かに細川町、仁木町、中ノ郷町などが伝統文化の継承に努めています。
一方、近年では、全国的に演奏用の楽器としての用途が増え、岡崎でも30を越えるチームが和太鼓の演奏を楽しんでいます。